みなさんこんにちは。
mayunekoです。
私は20代前半でお金を貯めて、25歳で小さな飲食店を立ち上げました。
今回は実際に飲食店経営をして、最も必要なスキルについてお話していきたいと思います。
目次
独立して最初の1年目の洗礼
当時20代半ばという「若僧」で、且つ立ち上げた立地が地域密着型故に、閉鎖的で「村化」しているような土地だったというのもあり、冷やかしで来客してくる地元の方々が多かったです。
とにかく
「外からやってきた若僧が飲食店を立ち上げた、ちょっくら冷やかしに行ってやろ」
これも後の人間力を構築するベースに繋がるのですが、その頃はただただ辛かったです。
私も当時の旦那も、お店を立ち上げたばかりで周知が行き渡るまで、耐えろ耐えろという精神でやっていました。
人間力とは
▶社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力
Wikipediaより
お店のルールとして「超えてはいけない」ラインをきっちり引いておく
これをやったらおしまい!
など、自分なりのお店ルールを作っていきましょう。
いくら立ち上げ1年未満だからといって、やりたい放題やらせてはいけません。
言いたい放題やりたい放題がまかり通ると、そういった輩しか集まらなくなってしまい、結果的に自分たちのカラーが殺されてしまいます。
自分で立ち上げたお店に来るお客さんは自分と似た人たちしか残りませんので、自分自身が「合わない」と思った人は思い切って排除した方がいいです。
何故なら
あなたのお店が好きな良いお客さんも、あなたが合わないと思っている人に違和感を感じるからです。
人って不思議と似た者同士が集まると見えない連帯感が生まれます。
良くも悪くもそういった連帯感が生まれるのですが、これが強くなりすぎると新規客が定着しづらくなるので、これらも自分のコントロール次第です。
当時のお店で作っていたルールをご紹介
ちなみに当時私たちが作っていたルールはこちらです。
▶酔ってケンカ腰の絡みをする、セクハラをする、一方的過ぎる絡みなど、誰が見ても理不尽なことをした場合
自分たちなりの良いお店作りを目指すにはこれがメインでした。
また、「出禁」にあたる行為は以下です。
改めて箇条書きにすると「当たり前じゃん!」という事例ばかりですが、当時は若くて舐められていたのもあり、何度かありましたし、警察にお世話になってしまったこともあります。
立ち上げて1年以内にやるべきこと
それは
「自分のお店のルールの明確化」です。
立ち上げ前に作ったルールは、立ち上げた後に役に立つことや使えるものはほとんど無いくらい、お店を立ち上げたら「予想外なことばかり」です。
修行していた時には通用していても、いざ独立したら通用しない、なんてザラにあります。
何故ならオーナーも、地域性も、全てが異なっているからです。
その時の状況の判断力や決断力が求められますが、最初から完璧にできる人なんていないです。
トライ&エラーを繰り返して、少しずつ「自分がやりたかったお店」を良いお客さんたちと作り上げていくのが大切です。
こちらからハッキリ「嫌なことは嫌」と提示することによって、お店を気に入ったお客さんは無意識にそのルールを守ろうとしてくれます。
自分のお店のルールを作れたら常連さんを味方につけよう
徐々に自分のお店に常連さんができてきたら、次は常連さんを自分と同じマインドを持ってもらうように運びましょう。
例えば、話がわかる良い常連さんであれば、こちら側とのコミュニケーションは風通しが良くなっているはずです。
さりげない会話の中で、「私たちのお店でされて嫌なこと」に共感力を持ってもらうように話をします。
この間の休みに知人のお店に飲みに行ったら、知らないお客さんに失礼な絡まれ方をされて困っちゃいましたよ。
美味しい酒が不味くなって残念な気持ちになりました。
常連さん 「へぇ、たまにいるよね、それは災難だったね」
常連さん 「僕も協力できることがあったら協力していくよ、ママ」
お客さんを味方に付けることによって、そのお客さん自身も「このお店に迷惑掛けちゃいけない」という気持ちと、何かトラブルが起こりそうなら未然に防ぐ、といった親衛隊となってくれます。
【実体験エピソード】トラブルを事前に防いでくれた常連さん
元旦那と同じ出身地ということだけで、子どものようにとても可愛がってくれた目上の常連Aさんがいました。
ある日新規のお客さんでやたらめったらイチャモンをつけてくるお客さんがいました。
イタ客 「俺はこの町内会のドンと知り合いだ。しかしこの店煙いな!酒もちょっと高くないか?」
事あるごとにごちゃごちゃ言ってくる面倒くさい人でした。
その時運悪く満席で、ちゃんとした対応やフォローもあまりできなく、てんてこ舞いになっている時に、常連Aさんが席替えを自ら志願してそのやかましいお客さんの隣に移動してくれたのです。
不幸中の幸いなことに、常連Aさんとイタいお客さんの年齢が近いのもあって、その面倒くさいお客さんの話し相手になっていただき、トラブル無くその日の営業を送れました。
Aさんには今でも本当に感謝をしています。
後に、Aさんのように味方になってくれる常連さん達が沢山当時のお店を守ってくれました。
「お客様は神様」ではない、という気持ち
これは持論ですが、
あくまでも対等です。
私はお店を営んでいる時は敢えて「お客様」という表現はせず、「お客さん」と表現していました。
何故なら「お客様」としての扱いをしていないからです。
もちろんお客さんが来ていただけるから、商売が成立しているため、感謝の心は併せ持つことは大切です。
ただ「お客様だから何でも従う、言うことを何でも聞く」といったスタイルは少なくとも私たちのお店に合ってはいなかったです。
常連さんたちに、間髪入れずに鋭いツッコミを入れたり、弄ったりして笑い場を提供するようなお店だったので、決して「お客様」という表現とはかけ離れた接客でした。
お客さんの貴重な時間とお金、体力を、このお店で使ってくれるのなら、めいいっぱい美味しいものを提供しよう、楽しんでお酒を飲んでもらおう、そういった気持で向き合っていました。
消費者側もお店のジャンルによって使い分けることが求められる
「お客様は神様」として接客を心がけているところはあります。
それは高級店や、高級老舗旅館などです。
共通点は「高級」といったところです。
クオリティの高い接客は代金にも含まれています。
単価2000円もしないカウンター飲み屋で「俺はお客様だぞ!神様のように扱え!」なんて言ってたら本当に恥ずかしいですし、またそういった人たちが普段行けないような高級店だからこそ、「お客様は神様」として接客されているのです。
こういった人はお客様でもお客さんでもなんでも無いです
なんでもかんでもイチャモンを付けて都度営業を阻止してくる
こちらが注意しても「こっちは客だぞ!」とふんぞり返っている
周りのお客さんに迷惑を掛けても気にも止めない
酒に飲まれて悪酔いをし、反省をしない
要するに「非常識」な人です。
基本サービス業で働いている人たちや、清掃業務の人たちなどを見下している人にも多いです。
こういった人たちは「接客する価値が無い」です。
切り捨て御免!をする大切さ
「接客する価値に値しない」人が来店したら代金を貰わずに追い出していました。
その場で即刻退場、出禁です。
これは見えないルールを守ってキレイに飲み食いしていただいている常連さんたちを守ることにも繋がります。
「痛客一人を守ると良客三人失う」という名言がありまして、これは言葉の通り、目先の一人の痛客を守ったせいで、良いお客さんを三人失うことがある、というのは本当にある話です。
痛客が常連になると良いお客さんは「最近なんだか居心地が悪いな」と、徐々にお店から足が遠のいて行ってしまいます。
商売やるなら私情は挟むべからず
自分が独立した店なら好き勝手やっていいじゃん!と思いがちですが、それは大きな間違いです。
趣味レベルの金持ちの娯楽として立ち上げたお店なら問題無いかもしれませんが、日銭を稼ぐのに必死な商売でそんな考えを持っていたら大変危険です。
そして、お客さんのほとんどは深層心理で「お客さんとして扱って欲しい=感謝の心は常に持っていて欲しい」と思っています。
何故なら
ポイント
店主とお客さんとして知り合い、この店で飲食したり接客を楽しんだりした対価として、お金を払う
という関係性がしっかり構築されているからです。
「人の気持ちは生モノ」ですので、その時は友人として付き合って欲しいと思っていても、いざ本当に無礼講な言動や行動していると不満が募ってくるものです。
適度な距離ってなんだろう
基本的に「話を聞く側」に徹することが大切です。
みんな自分の話を聞いてもらっている時はストレス解消になりますし、何故かスッキリした気持ちになります。
店主である自分がお客さんにガチの悩み相談をして、的確なアドバイスをされてお金をいただくって滅茶苦茶だと思いませんか。
水商売での色恋が挟んだ商売でも無いのなら、そんな自分の私情をお客さんにぶつけて何になるのでしょうか。
ただし、お客さんによっては「相談に乗ってあげてアドバイスをしてあげる」ことが好きな人もいます。
そういった人にはガチの悩み相談ではなく、あるあるの悩みをすることをオススメします。
対象のお客さんに合わせた内容を選択すること
例えば
▶友だちと久々に喧嘩しちゃって、なかなか素直に謝れないんですよね
❏ゴルフ好きで教えるのが好きなお客さん
▶ゴルフ始めようと思うんですが、何から初めていいのかサッパリわからなくて
あくまでもそのお客さんに関わっている内容で相談をするといいでしょう。
自分が関心あったり、熱意を込めていることに興味津々で耳を傾けられると、自分も含め人って嬉しいものです。
結果この行為も相談しているのは自分ですが、「話を聞く側」に徹している状況です。
これらは友人に求める感情です。
プロである以上、お客さんのニーズを見つけて供給していくことを心がけていると、おのずと「適切な距離感」は仕上がっていきます。
コミュニケーションも取れているため「お客さんだから」とキッチリ一線引いているというような、冷たい印象を持たれることもありません。
【まとめ】接客業はルールと人間力無しでは成り立たない
自分のお店を周知させる、常連さんを築き上げるまで最初の1年〜3年は忍耐力が必要です。
自分のお店としてのカラーも出来上がってくるので一日一日が気づきと反省の繰り返します。
同時に新しい発見や出会いもあったりと、一言に集約できない醍醐味がカウンター商売には沢山詰まっています。
常連さんが自然とできたり、日々お客さんにプロ意識を持って接客をしていくうちに、自然と人間力が磨かれていきます。
これは自分が一生懸命商売と向き合った対価でもあり、お金には替えられない代物です。
流行り廃りに振り回れるような商売ではなく、お客さん一人一人に向き合った商売は一度定着すると、不動のものに成り得ます。